
日本の電気業界ではマイカ(mica)と呼ぶことが一般的ですが、マイカとは日本語の雲母のことです。金雲母、白雲母及び黒雲母など、一度はお聞きになったことがあるのではないでしょうか。
マイカは電気絶縁性及び耐熱性に非常に優れており、電気機器の絶縁材料として古くから使用されております。電気機器の信頼性向上の観点において非常に重要な素材です。
マイカは古くから電気絶縁材料として使われており、長い歴史を持っています。
現在マイカ製品は、高電圧機器、回転機器、電熱機器及び通信機器などに不可欠の絶縁材料として用いられ、その用途が拡がっています。
これは、マイカが次のような優れた特徴をもっているからです。
これらの特性においてマイカ製品に勝るものは無く、耐熱電気絶縁材料として貴重な存在であり、欠くことの出来ない製品です。
マイカは層状ケイ酸塩鉱物の一種で、主成分はSiO2、Al2O3、K2O及び結晶水です。
鉱物学的には含有成分によって6種類程度に分類されていますが、電気絶縁材料として利用されるものは、マスコバイトとフロゴパイトの2種類です。一般的に、前者を硬質マイカ、後者を軟質マイカと呼んでいます。
マイカの性質について以下に示します。
| 項目 | 単位 | 硬質マイカ (Muscovite) |
軟質マイカ (Phlogopite) |
|---|---|---|---|
| 化学式 | - | KAl2(Si3Al)O10(OH)2 | KMg3(Si3Al)O10(OH)2 |
| 色 | - | 透明または淡黄色 | 褐色または暗緑色 |
| 密度 | kg/m3 | (2.6~3.2)×103 | (2.6~3.2)×103 |
| モース硬度 | - | 2.0~3.2 | 2.5~3.0 |
| 比熱 | J/kgK | 860~870 | 860~870 |
| 熱伝導率 ※へき開面に直角方向 | J/msK | 0.67 | 0.67 |
| 熱分解温度 | ℃ | 600~800 | 900~1000 |
| 加熱による重量の減少 ※900℃-3hr | wt% | 4~5 | 0.3~1.0 |
| 引張強さ | Pa | (25~30)×107 | (25~30)×107 |
| 絶縁破壊電圧 | kV/0.1mm | 18~25 | 15~19 |
| 誘電率 50Hz | - | 6.5~9 | 5~6 |
| 誘電正接 50Hz、25℃ | % | 0.01~0.02 | 0.1~0.65 |
| 体積抵抗率 | Ω-m | 1010~1013 | 108~1011 |
| 線熱膨張係数 | m/m・k | 3.6×10-5 | 5.2×10-5 |
マイカ原鉱を粉砕して紙状に抄造することでマイカペーパーが得られます。このマイカペーパーに適量の接着剤を含浸させて、板状に加熱圧縮した集成マイカ板(積層板)と、補強材と貼り合わせることでテープ上に加工した集成マイカテープがあります。
マイカ原鉱を10~30μmの厚さに剥がし、上記集成マイカ製品と同様に加熱圧縮や補強材との貼合せによって加工した製品です。発明されてから約100年という大変長い歴史を持つ製品です。
上記マイカ製品は、耐熱性と絶縁性に大変優れた製品です。
家電製品の分野、重電機の分野、耐火電線の分野及びその他耐熱絶縁が必要な分野で幅広くご使用頂いております。
なお、集成マイカ製品ははがしマイカ製品に比べて厚さや特性の均一性と、優れた加工性を持ち、多種多様な用途に用いられています。